米下院議長、NATO諸国に防衛費増額を要望

Patricia Zengerle

[ワシントン 8日 ロイター] - 米議会のジョンソン下院議長(共和党)は8日、シンクタンクのハドソン研究所における講演で、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して年間防衛予算を最低でも国内総生産(GDP)比2%に増額する目標を達成してほしいと要望した。

ジョンソン氏が外交政策に関する本格的な演説を行ったのは今回が初めて。NATO加盟国の防衛費問題は、トランプ前大統領が欧州諸国の防衛支出が少なすぎると不満を表明したことをきっかけに論争が起きている。

11月の大統領選で共和党候補指名が確実なトランプ氏は今年、防衛費を十分に拠出しないNATO加盟国を守るつもりはないとの考えを示唆し、物議を醸した。

こうした中でトランプ氏と緊密な関係にあるジョンソン氏はNATO諸国に向けて「私は以下のことをはっきりと言いたい。つまり米共和党は当然ながらNATOが確保してきた平和と繁栄を祝福し、これからも不要な戦争を防ぐためパートナーに寄り添い続ける。だがNATOはもっと行動しなければならないと信じている」と語った。

ジョンソン氏は中国については「世界中で悪影響を及ぼす活動をしている、われわれにとって、ただ一つの最大の脅威」と呼んだ上で、年内に下院で制裁強化などを含めた中国への対抗措置を盛り込んだ幾つかの法案の採決を行う方針を明らかにした。

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