アルケゴス事件で最終弁論、フアン被告は無罪主張

Jody Godoy

[ニューヨーク 8日 ロイター] - 富裕層向け資産運用会社ファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの巨額損失事件で詐欺罪などに問われた創業者ビル・フアン被告(60)と元最高財務責任者(CFO)パトリック・ハリガン被告(47)の最終弁論が8日、ニューヨーク州の連邦地裁であり、検察側は「虚偽と株価操作」が背景にあったと指摘し、弁護側は改めて無罪を主張した。陪審団は9日に審議を始める。

検察側は「両被告の虚偽と株価操作により、2021年までに12近くの株式銘柄とウォール街の半分が1000億ドルの詐欺に巻き込まれた」と陳述した。

検察側によると、フアン被告が複数の銘柄に関し、実際には保有していないにもかかわらず保有量を膨らませる偽装工作を行った。また、デリバティブ(金融派生商品)の持ち高について取引先の銀行に虚偽の説明を行い、数十億ドルを借り出してデリバティブの原資産の銘柄の価格をつり上げたという。

これに対し弁護側は、アルケゴスは2021年3月に一連の予想外の出来事により崩壊したと陪審団に説明した。その上で検察は、攻撃的だが合法的な取引手法を立件したと述べた。銀行が損失を出さなければ「私たちはここにいなかっただろうし、フアン氏が罪に問われることもなかっただろう」と述べた。

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