日経平均、取引時間中の最高値更新 背景に半導体関連株の好調など 円安、海外経済の安定の間は伸びるか

2024年7月8日の東京株式市場で、日経平均株価が一時200円近く上昇し、取引時間中の史上最高値を2営業日連続で更新した。専門家は、円安が輸出企業の業績を押し上げ、日経平均を押し上げているとみている。

2営業日連続で取引時間中の史上最高値を更新

2024年7月8日の東京株式市場は、前週末のアメリカ市場で株価が上昇した流れなどを受けて買いが広がった。

平均株価は一時200円近く値上がりし、4万1112円24銭と、7月5日に記録した取引時間中の史上最高値を更新した。

しかし、その後、利益確定の売りが広がり、結局、平均株価は、前週末より131円67銭低い4万780円70銭で取引きを終えた。

「バブルとは言えず」円安と半導体関連株の好調により上昇

「Live News α」では、エコノミストの崔真淑(さい・ますみ)さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
日経平均もTOPIXも、ともに最高値更新を意識する日が続いていますが、この株高の背景には何があるのでしょうか。

エコノミスト・崔真淑さん:
日経平均は日本株の主力である225社を対象にしたもので、株価の高い銘柄の影響を受けやすいという特徴があります。円安の追い風を受けて、輸出企業や世界的な成長が続く半導体関連株の好調にリードされる形で日経平均が押し上げられています。

一方のTOPIXは、東証プライム全上場企業を対象にしているため、内需企業の影響を受けやすいとはされています。しかし中身をみてみると、円安の恩恵をストレートに受けやすい輸出企業はもちろん、内需企業でもインバウンドが好調な企業によって株価が押し上げられているというところがあります。

なので、どちらも円安や海外経済の恩恵を受けての指数上昇と考えられます。

堤キャスター:
今の株高に対して、景気の回復が伴っていると感じる方は少ないように思いますが、この株高はバブルという見方もあるのでしょうか?

エコノミスト・崔真淑さん:
バブルとは、その企業の実力以上に、期待ばかりが先行して株価が上昇している状況です。

そもそも株価は、「一株あたりの利益を表すEPS×株価収益率(PER)」とも分解できます。言い換えると、企業の業績と投資家の期待をかけ合わさったものが株価なので、投資家の期待であるPERがあまりにも高いとバブルになるのですが、実は、日経平均のPERを見てみると、この10年間でほぼ変わっておらず、バブルとはいえないのではないかと思います。

円安によって、企業の業績を表すEPSが膨らみやすくなって、株価が上昇しているのが今の状態だと思います。

海外経済の不安材料にも注意

堤キャスター:
今後の株式市場については、いかがですか。

エコノミスト・崔真淑さん:
円安が続き、海外経済が安定している間は伸びやすいとは思います。

しかし、海外の不安材料として、アメリカの雇用状態、例えば正社員の減少が顕著になってきたことや、さらには中国では、不動産バブルの崩壊も懸念されていることにも注意したいです。

堤キャスター:
株価は上がっても暮らしへの影響はまだ感じられません。これから景気の回復をどう図っていくのか。これが今、問われているように思います。
(「Live News α」7月8日放送分より)

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