今後の都政と東京都の将来に期待を込めたリーダー像「キングダム 大将軍の帰還」

【有村昆のニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。7日に東京都知事選挙の投開票が行われ、現職の小池百合子さんが3選を決めましたね。9年目に入る東京のリーダーの手腕に期待したいです。

さて、今週は偉大なリーダーの活躍と生きざまを描いた一作、12日公開の映画「キングダム 大将軍の帰還」を紹介します。

今作は、原泰久先生による大人気漫画を原作とした映画シリーズの4作目。中国の春秋戦国時代末期を舞台に、主人公である秦国の少年・信と秦国の大将軍・王騎の奮戦を描きます。

正直、最初のころのキングダムって決して見やすい映画ではなかったんですよ。引きの映像が少なすぎて、戦のシーンが今どこで何をやってるのか分かりにくい部分があったんです。それが2、3作目と改善されてきて、今作はめちゃくちゃ良くなりました。引きと寄りを見事に使い分けて、構図がすごく分かりやすくなっていて見事でした。

また、今作は続編なので、前作でやっていた戦の続きを2時間まるまるやるんですけど、戦に終始しない点が秀逸でした。王騎将軍の過去の恋や、敵国との因縁の回想があったりと、ただ普通に時系列で物語を追うんじゃなくて過去へ行ったり来たりすることで物語に厚みを持たせる演出をしているんですね。ここが本当に原作の良さをそのまま伝えていて、やはりキングダムはただの戦物語ではないというか。人物にスポットを当てた掘り下げがきちんとあるからこそ、王騎将軍が信たちを逃がすため孤軍奮闘する姿に感情を揺さぶられるんですよね。軍勢ものというと大味な映画になりがちなんですけど、個にちゃんとスポットが当たりつつも軍勢でわーっとみせる演出が両方ともしっかりしてる。その点が非常に素晴らしかったなと思いましたね。

王騎将軍は、その圧倒的な実力とカリスマ性、大将軍としての誇りから原作でも大人気のキャラクターです。そんな王騎のリーダーとしての生きざまが刻まれた本作を、ぜひ3期目を決めた小池さんをはじめとした全国の首長、会社や組織の上役、全ての人の上に立つ立場の人に見てもらいたい。時代は移り変わっても、人の集団というものはそれを束ねるリーダーの度量によっていかようにも変わりうるのだということを教えてくれます。今後の都政と、東京都の姿に期待を込めて「キングダム 大将軍の帰還」を紹介しました。この機会にぜひご覧ください。

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