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新手法で作製したシリコンウエハー級の2次元結晶。(北京=新華社配信)
【新華社北京7月9日】コンピューターや通信、航空、レーザー技術などの重要材料となる結晶。大型の結晶を作るには、れんがを積み上げて家を建てるように結晶粒子の表面に原子を積み上げていく手法が一般的だが、中国・北京大学の研究チームが新たな作製方法を開発した。
タケノコが育つように材料を上に向けて伸ばしていく手法で、結晶の各層の構造を急速かつ均一に生成し、結晶構造の制御性を大幅に高めることができる。半導体の集積度と演算能力が高まることから、次世代の電子・光子集積回路(IC)の新材料になると期待される。研究成果は5日、学術誌サイエンス電子版に掲載された。
北京大物理学院凝集態物理・材料物理研究所の劉開輝(りゅう・かいき)所長・教授によると、従来の結晶作製方法は原子の種類や配列方式などを厳格に選ぶ必要があり、原子の数が増えると配列が制御できずに不純物や欠陥が積み重なり、結晶の純度や質に影響をもたらしていた。このため、原子の配列を正確に制御し、結晶の成長プロセスをより細かく調整できる新たな手法を開発する必要があったという。
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2次元結晶をベースとした電子・光子集積回路(IC)。(北京=新華社配信)
劉氏らは、まず「地盤」となるセンチメートル級の金属表面に原子を配列して1層目の結晶とし、金属と結晶の間に新たな原子を挿入して新たな結晶層を絶えず形成させることで結晶を上に伸ばす作製モデルを提起した。
新たな手法では結晶の生成速度が1分間で50層、高さは最大で1万5千層になったほか、各層の原子が完全に平行に配列され、正確な制御が可能になった。欠陥の累積を効果的に防ぎ、構造の制御性も向上した。
劉氏は「これらの2次元結晶をICのトランジスターに使えば半導体の集積度を大きく高めることができる。爪の大きさの半導体でトランジスターの密度が大幅に向上し、より強力な演算能力を実現する」と語った。(記者/魏夢佳)