チ・チャンウク、憧れの女優チョン・ドヨンとの共演は「同じ空間にいることが貴重な経験」

チ・チャンウク

映画『シークレット・サンシャイン』(2007)でカンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞したチョン・ドヨン、俳優だけでなく歌手としても活躍しアジアで絶大な人気を誇るチ・チャンウク、そしてドラマ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」の悪女役でブレイクしたイム・ジヨン。3人の思惑が交差するクライムサスペンス映画『リボルバー(原題)』(2024)の制作報告会が、9日、ソウル市内の映画館で開催され、出演の3人とオ・スンウク監督が出席。映画のビハインドストーリーや見どころついて語った。

映画『リボルバー』は、不正による罪のすべてを被り、その代価として巨額の金を受け取るというアンディ(チャンウク)の提案を受け入れ、刑務所に服役した元警察官のスヨン(ドヨン)が、出所後、約束の金は支払われず裏切られたことを知り、自分の取り分を得るために立ち向かう物語。主演のドヨンとスンウク監督は『無頼漢 渇いた罪』(2015)以来のタッグとなる。

本作誕生のきっかけについて、スンウク監督は「準備していた大作映画がうまくいかなかった頃に連絡が来て、サムギョプサルを食べながら一緒に昼飲みしてのですが、映画がうまくいかないことを明かすと、ドヨンさんが『私を主人公にしてシナリオを書いてみれば?』と提案してくれたんです。腐っていた時期だったのでありがたかったですね」と明かすと、ドヨンは「気分転換に低予算で撮る映画シナリオを書いてみればと軽い気持ちで話したんですが、監督は遅筆で有名。結局4年も待たされました(笑)」とコメントし、会場の笑いを誘った。

左から、イム・ジヨン、チョン・ドヨン、チ・チャンウク

いつもはシナリオ執筆をする際、役の当て書きはしないというスンウク監督。だが、今回はドヨンを念頭に置いてスヨンのキャラクターを作っていったという。ドヨンありきの映画となったおかげで、チャンウクやジヨンら彼女に憧れる俳優陣が揃った。ジヨンが、学生時代に「私は韓国総合芸術学校のチョン・ドヨンだと自称していました」と明かすと、すかさずチャンウクも「僕も檀国大学校のチョン・ドヨンでした」と追従。そんなドヨンとの共演について、チャンウクは「撮影現場で彼女から学んだというよりは、同じ空間にいることが貴重な経験でした。僕がふざけてもドヨンさんは受け入れてくれて楽しかったです」と撮影を振り返り、ジヨンも「普段の姿と演じているときの没入感がすごいんです。普段は少女のように朗らかなのにいざ撮影が始まると役になりきっている姿に感嘆しました」と絶賛していた。

一方のドヨンも「私が与えるだけでなく、共演する俳優からも影響を受けています。私が一方的に与えるだけなんてずるいじゃないですか!(笑)」と持論を展開。共演シーンが多かったジヨンについては「私が刑務所から出てきて彼女と初めて会うシーンで、『オンニ(姉さん)』と彼女が私を呼んだのですが、その瞬間空気が変わるのを感じました。彼女の俳優としてのポテンシャルに感嘆しました」と語り、共演俳優によるシナジー効果を感じたと明かした。

チャンウクとスンウク監督は初コラボとなったが、撮影現場でチャンウクに助けられたというスンウク監督。「アンディは難しい役でしたが、彼は文句も言わず役に真摯に向き合い、私やスタッフと話し合って役づくりに挑んでくれました。撮影が進むに連れて筋肉質になっていく肉体もありがたかったです」とチャンウクの仕事ぶりを評価していた。

終盤、司会者から「オ・スンウク監督作品が再び出演オファーがあれば?」という質問が。チャンウクとジヨンが「断る理由がないです。4年でも何年でも待ちます」と即答する一方、ドヨンは「私はもう4年も待てません!」とツッコミを入れるなど、仲の良さがうかがえる終始和やかな会見となった。

映画『リボルバー』は8月7日より韓国で劇場公開される。(土田真樹)

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