【広島】3年生34人の結束力 広島国泰寺 県内最古の野球部 監督&OBとともに 夏の高校野球 広島県大会 注目校

甲子園を目指す夏の高校野球広島大会、注目のチームを紹介するシリーズ「変わる夏、変わらない夢」。今回は1915年(大正4年)に旧制広島第一中学校として甲子園大会の前身となる第1回全国中等学校優勝野球大会に出場した広島国泰寺高校です。

ことし春の県大会でベスト8入りし、夏の大会のシード権を19年ぶりに獲得して勢いに乗っています。大正4年の第1回大会以来の全国舞台を目指す古豪を取材しました。

広島市中心部のグラウンドで練習をする広島国泰寺高校(広島市)。県内有数の進学校で、放課後の練習時間が1時間半と制限がある中、守り中心のチーム作りをしています。

そんな国泰寺の “扇の要” を務めるのは、キャプテンの 大西諒汰(3年・キャッチャー) 。ことしのチームの強さは部員の結束力だと話します。

広島国泰寺 大西諒汰 主将
「自分らはチームワークがあると思って、3年生が33人いるんですけど、1年生入ったときから誰一人やめていなくて、それで全員でこの2年間、きついこともちゃんと全員でやりきれたというのが自分たちの一番の強みかなと思っています」

女子マネージャーもノックバットを握り、同級生で築き上げてきた固い守りで夏に挑む国泰寺―。

エースとしてチームを支えるのは、力強い直球とコントロールが売りの 藤尾壱大(3年) 。完投能力もあり、チームメイトからの信頼も厚い右腕が、春の県大会でベスト8の原動力となりました。

広島国泰寺 藤尾壱大 投手
「一日でも多く、この仲間としっかり勝ち上れるところまで勝ち上がりたいので、そこは全員分の気持ちを背負って責任持ったプレーをしたいと思います」

エースだけではありません。打者のタイミングを外す投球が武器のサウスポー・中屋亮太(3年) と、短いイニングで強気の投球ができる本格派右腕の 小坂陸弥(3年) 。3本柱の継投で国泰寺旋風を巻き起こします。

ことしの春からチームの指揮を執るのは、国泰寺野球部OBでもある 花谷祐輔 監督。前回、国泰寺が夏のシード権を獲得した19年前に選手として春の県大会準優勝、中国大会3位に貢献しました。

広島国泰寺 花谷祐輔 監督
「もちろん、自身の高校野球生活で先輩方と一緒にいい成績を残していく中で充実した高校野球・高校時代の思い出があったので、それがあったからこそ高校教師になろうと夢見たので、その中でも、もっともっと母校でいい成績を甲子園を目指していきたいっていうのはありましたので」

花谷先生が母校の監督就任の夢をかなえ、最初の大会でチームはベスト8入りを果たすと、「監督の力になりたい」と心強い助っ人が練習に顔を出してくれるようになりました。この日は、19年前に花谷監督と一緒に県大会準優勝を成し遂げたOBが、後輩への激励に訪れていました。

2006年卒業の野球部OB
「監督もおっしゃっていましたけど、ぼくらのときも春(の大会で)いい成績が出て、なんか、きれいに戦わないといけないなとか、今までの気持ちとはちょっと違う思いになって、今、思えば、すごく受け身になっていました。どんないい成績が出ても、これで終わりじゃないんだ。もっともっと高い成績を出していくんだ。そのための自分たちは挑戦者なんだってことは思ってやってもらいたいなと思います」

今の選手たちは19年前にはまだ誰も生まれていません。新たな歴史を作るために汗を流してきた選手たちが、強かった国泰寺を知る監督やOBたちと古豪復活をかけて挑む夏。創部135年、伝統ある野球部が “変わらない夢舞台” へ、109年ぶりの広島の頂点を目指します。

花谷祐輔 監督
「この3年生、一生懸命がんばってきた選手33人、マネージャー入れて34人が集大成としてがんばる夏だと思いますので、わたしが監督としては少ししかやっていないですけれども、その中でしっかりとがんばって、最後の夏、やってくれるんじゃないかという期待がすごく持てる学年なので一緒にがんばっていけたらいいなと思います」

藤尾壱大 投手
「強豪校に比べたら力で劣ってしまうと思うんですけども、そこはチャレンジャー精神を持って、しっかり食らいついて行けたら少ないチャンスをものにして勝てるんじゃないかと思っています」

大西諒汰 主将
「自分たちが最後、仲間と一緒に先輩たちの記録を越えていけたらと思っています」

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