「最もつらい瞬間の1つ」勝利目前で負傷し途中棄権の世界13位キーズが現状を報告。「近々MRI検査を受ける予定です」<SMASH>

現在開催中のテニス四大大会「ウインブルドン」の女子シングルス4回戦でハムストリングの負傷により試合終盤での途中棄権を余儀なくされた元世界ランク7位のマディソン・キーズ(アメリカ/現13位)が7月8日に自身のSNSを更新。ケガの詳細を説明するとともに、ファンに向けての感謝の言葉を綴った。

聖地ウインブルドンでは、2015年と昨年の2度ベスト8進出を経験している29歳のキーズ。今大会はマルティナ・トレビザン(イタリア/89位)、ワン・ヤファン(中国/71位)、マルタ・コスチュク(ウクライナ/19位)の3人の実力者をいずれもストレートで破って16強入りを果たしていた。

そんなキーズが現地7日の4回戦で顔を合わせたのは、6月の全仏オープン(フランス・パリ/クレー/四大大会)で、怒涛の快進撃を見せて四大大会初の決勝進出を遂げた世界7位のジャスミン・パオリーニ(イタリア)。試合は第1ゲームからキーズが4ゲーム連取を許す苦しい展開となり、そのまま追いつけずに1セットダウン。第2セットも5-1とリードしたところからパオリーニの猛反撃を食らってタイブレークへと持ち込まれる。

このタイブレークを制したキーズは、勝負のファイナルセットでも第3、7ゲームでブレークを奪って5-2とリード。第8ゲームではサービング・フォー・ザ・マッチを迎え、この時点で勝負は決したかに思われた。ところがここでキーズが左のハムストリングを負傷。思うように動けないままブレークを喫すと、第10ゲームでもサービスダウンを喫して5-5に追いつかれる。
メディカルタイムアウトを取ってからもプレーを続行したキーズだったが、本来の動きは戻らず最終的に第11ゲームの途中で途中棄権を表明。試合後には対戦相手のパオリーニとハグを交わし、無念の涙を流しながらコートを後にした。

このほど更新したSNSで「昨日の試合の終わり方は、おそらくこれまでのコート上での経験で最もつらい瞬間の1つでした」と切り出したキーズは、ケガの詳細を次のように報告した。

「残念ながら、試合中にハムストリングを負傷しました。何が起こったのか、それに加えてケガの程度はどれほどなのかを正確に知るために、近々MRI検査を受ける予定です」

そして最後は日々声援を送ってくれているファンへの感謝の言葉で締めくくった。「ウインブルドンがこのような形で終わってしまったことには複雑な気持ちでいっぱいですが、皆さんからいただいた素敵なメッセージに本当に感謝しています。家に帰って回復に努めます」

2年連続の8強入りが目前に迫っていただけにキーズの悔しさは図り知れないが、とにかく今は無理せず治療に専念してもらいたいものだ。得意の北米ハードシーズンまでには回復が間に合うことを願いたい。

文●中村光佑

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