ガンダム作品の“奇抜すぎる”武装…「150mの日本刀」「格闘できるビット」ってどんなの?

『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY Re:Master Edition(1)』(KADOKAWA)

1979年放送開始の『機動戦士ガンダム』からはじまり、令和になっても新作アニメが放送された『ガンダム』シリーズ。長い歴史のある同シリーズの魅力として、「バリエーションに富んだメカ」の存在を挙げる人も多いことだろう。

視聴者を魅了するカッコいい機体が多数登場する反面、なかには“変わり種”のような個性派の機体も存在する。そんな機体は装備している武装が奇抜な場合も多く、視聴者に強烈なインパクトを与える場面もあった。そこで今回は、ユニークすぎる武装を所持していた機体に焦点をあてて紹介していこう。

なお、奇抜な武装の宝庫として知られる『機動武闘伝Gガンダム』のものは、あえて除外してピックアップさせてもらった。

■格闘戦ができるビット「GNシザービット」

「ビット」や「ファンネル」を搭載した機体は、無線式兵器を射出し、遠隔操作が可能。離れた場所にいるターゲットに一方的な攻撃をしかけることもできる。複数のビットやファンネルを同時運用すれば、相手は回避するのも難しかった。

通常、放たれたビットやファンネルからはビームを発射することになるが、『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』に登場した「ガンダムハルート」のビットは一味違った。

ガンダムハルートが搭載していたのは「GNシザービット」。その名が示す通り、GNシザービットはハサミ型のビットであり、兵器自体に刃を有している。

高速飛行するGNシザービットは、その刃で敵機を切り刻んだり、ハサミの部分で機体を挟み込んだりすることも可能だ。ビットでありながら物理的に攻撃をしかけるという発想自体、かなり奇抜と言えるだろう。

■世界樹を体現した「テンダービーム」の異様さ

『ガンダム』シリーズの作中には多種多様なビーム兵器が登場するが、『ガンダム Gのレコンギスタ』の巨大モビルアーマー「ユグドラシル」の放つビームの奇抜さは別格だった。

まるでピラミッドのようなビジュアルをしたユグドラシルの唯一の武装が、その「テンダービーム」である。

長射程かつ広範囲攻撃を実現したテンダービームが発射されると、機体名を連想する「世界樹」を思わせる巨大な緑色の光が広がっていく。有効範囲の広さは圧倒的で、一撃で艦隊を丸ごとなぎ払うことができる恐ろしい武器だ。

そしてビーム発射時のエフェクトは神々しさを感じるほど美しく、多くの視聴者を魅了。とにかく強烈なインパクトを残したビーム兵器だった。

■謎のビーム格闘兵器「ビームラリアット」

『機動戦士ガンダムAGE』に登場した「ガンダムAGE-1 タイタス」の武装も奇抜なものがそろっている。格闘戦に特化したタイタスは、射撃武器をいっさい持たないという潔さが印象的な機体だった。

そのかわりに内蔵されたビームフィールド発生装置を武装として活用することが可能。「ビームショルダータックル」「ビームニーキック」といった、機体に内蔵したビーム兵器と連動したパワフルな近接攻撃を駆使して戦っていた。

そのなかでも、とくに奇抜だったのが腕部に備えた「ビームラリアット」だ。これは腕部にリング状のビームを発生させ、プロレス技のラリアットを繰り出す武装。もはや「技」といったほうが適切かもしれない。

なぜこのような武器をAGEシステムが導き出したのか、誰もが疑問に感じたことだろう。

■戦艦並みに巨大な実体剣「150ガーベラ・ストレート」

刀剣のような武装は『ガンダム』シリーズの定番ではあるが、そのなかでも一際目をひいたのが『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』シリーズに登場した「150ガーベラ・ストレート」だろう。

「ガーベラ・ストレート」は、ガンダムアストレイ レッドフレームの主武装で、日本刀がモチーフになっている。だが、「150ガーベラ・ストレート」のほうは、全長150メートルもある超巨大な実体剣なのである。

戦艦にも匹敵する特大サイズの刀なので、通常のMSに使いこなせるはずもなかったが、レッドフレームを強化改修したことで使用できるように。ちなみに「150ガーベラ・ストレート」は、ただ巨大なだけでなく切れ味も抜群で、戦艦を真っ二つに切り裂いたほどだ。

『ガンダム』シリーズに登場した強力な武装の数々は、多くの視聴者を魅了したことだろう。しかし、何年経っても頭から離れないのは、実は奇抜な武装のほうなのかもしれない。

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