日本株を投資対象として選好、英国株・インフレ連動債も魅力的=BII

[ニューヨーク/ロンドン 9日 ロイター] - 世界最大の資産運用会社ブラックロック傘下のブラックロック・インベストメント・インスティテュート(BII)は9日、日本株を投資対象として選好すると発表した。

日本株は「緩やかなインフレの回復、株主フレンドリーな企業改革、そして金融政策を引き締めではなく慎重に正常化している日銀を支援材料にわれわれが最も確信している株式だ」とした。

さらに、英総選挙を受け「英国株のバリュエーションは非常に魅力的」と指摘。グローバルチーフ投資ストラテジスト、ウェイ・リー氏は「政治的安定が認識され、センチメントが改善していることを踏まえると、英国株には戦術的なチャンスがある」という見方を示した。

英国で4日に投開票された総選挙(下院、定数650)では、中道左派の野党労働党が圧勝し、スターマー党首が首相に就任した。

また、長期にわたり高金利が続くとの見通しを背景にインフレ連動債が戦略的に魅力的としたほか、他の国では、メキシコとインドが「長期的にはサプライチェーン(供給網)の再構築から恩恵を受ける」とした。

米国株と人工知能(AI)に対しても強気な見方を示した。

米大統領選を11月に控える中、前出のリー氏は米国債について、長期債の価格は米財政赤字拡大の見通しを十分に反映していないとし、短・中期の国債を選好していると指摘。バイデン大統領、トランプ前大統領の「両候補とも財政赤字削減計画についてはあまり語っておらず、いずれも支出を望んでいる」とし、「タームプレミアム」上昇につながる可能性があるという見方を示した。

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