パリ五輪、第3四半期の仏経済成長を押し上げ=INSEE

[パリ 9日 ロイター] - フランス国立統計経済研究所(INSEE)は9日、パリ五輪の経済効果でフランスは第3・四半期の経済成長率が押し上げられるが、2024年全体の成長率は1.1%と、前年比横ばいにとどまるとの見通しを示した。

INSEEによると、7─8月に開かれるパリ五輪の効果で、第3・四半期の成長率は0.5%と、前期の0.3%から加速する見通し。チケット販売やテレビ放映権収入、観光客の増加などにより、五輪は同期の成長率に0.3%ポイント寄与するとしている。

INSEEのエコノミストは、これは2012年のロンドン五輪が英国経済にもたらした効果と同程度だと話した。

ただ、旅費の高騰、フランス政局の不安定化、治安を巡る不安などからパリ行きを控えるスポーツファンも多く、経済効果は期待ほど大きくないとみられている。また大半の五輪では、通常の観光客が期間中の旅行を延期したりキャンセルしたりするため、観戦目的の訪問者増加分が相殺される。

航空券データ会社フォワードキーズによると、夏季のパリ行き航空便予約は前年比10%増となる見通し。

INSEEは、第4・四半期には五輪による経済効果が消えるため、前期比で0.1%のマイナス成長になるとの予想を示した。

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