「可愛いベイビー」韓国俳優も話題の二宮&目黒主演作が好スタート 追うのは…夏ドラマコア視聴率ウラ側

二宮和也(嵐)、目黒蓮(Snow Man)(C)ピンズバNEWS

7月9日には松本若菜(40)主演の『西園寺さんは家事をしない』(TBS系/火曜10時~)の第1話が放送されるなど、2024年7月クールの夏ドラマが少しずつ出揃い始めている。

「現在のテレビ界では13~49歳のコア視聴率が重要視されていますが、前期の4月クールのドラマは全体的に数字が低かった。良かったのは長谷川博己さん(47)主演の『アンチヒーロー』(TBS系)くらいと言われましたね。木村拓哉さん(51)主演のテレビ朝日開局65周年記念 木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』も話題性はありましたが、コア視聴率は1%台を何回も出すなど厳しかった。

前評判の高かった7月クールのドラマ2本はすでにスタートしていますが、どちらも滑り出しは堅調です」 (制作会社関係者=以下同)

放送前から7月クールドラマの目玉として注目を集めていた作品は2つ。Snow Manの目黒蓮(27)主演で7月1日スタートの『海のはじまり』(フジテレビ系/月曜夜9時)と、嵐・二宮和也(41)主演で7日スタートの『ブラックペアン シーズン2』(TBS系/日曜夜9時~)だ。

まず『ブラックペアン シーズン2』は、小説家・海堂尊氏の『ブレイズメス1990』と『スリジエセンター1991』(講談社)が原作のメディカルエンターテインメント。18年4月期に放送された『ブラックペアン』の続編で、二宮は前シーズンの主人公・渡海征司郎と瓜二つの世界的天才外科医外科医・天城雪彦を演じている。初回コア視聴率は3.2%だった(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。

「『アンチヒーロー』に続き、『日曜劇場』枠(夜9時~)の強さを感じさせますね。国民的俳優である二宮さんの作品だし、シリーズものの続編という時点で固定ファンもいます。さらには、新キャストにも放送前から注目する声は多かった。

とりわけ研修医パク・ミンジェを演じる韓国人俳優のキム・ムジュンさん(26)は、特に話題性が高かったですね」

ムジュンは韓国のテレビ局・MBCのドラマを対象とした『2023MBC演技大賞』で新人賞を獲得するなど、韓国でも期待されている若手俳優の一人。大人気のNetflxドラマ『わかっていても』(2021)などに出演している、温厚で柔和な笑顔が似合う、年下系イケメンである。

『ブラックペアン シーズン2』の第1話は、ムジュンが演じる役の母親を治療する物語だったため、彼の出番も多かった。そして主演の二宮とはとても良好な関係を築けているようで、《研修医だからついウトウト……可愛いベイビーちゃんだぜ》(二宮)と、居眠りオフショットを撮られたりしている。

「『ブラックペアン シーズン2』第1話が放送された7日は、日テレでは人気バラエティ特番『ダマされた大賞!』を放送。フジテレビの『Mr.サンデー』(9時~)とテレビ朝日の『サンデーステーション』(9時30分~)は東京都知事選挙の特番を放送し、テレ朝はその直前まで男子バスケットボールのパリ五輪直前国内最終戦(日本×韓国)を生中継。

世間の関心事が『ブラックペアン』の真裏で放送されていたわけで、それを考えるとコア3.2%というのはかなり高い数字ですね。他局も通常モードに戻る2話以降は、さらに数字を伸ばしてくるでしょう」

■『海のはじまり』は鳩サブレ―の公式サイトがパンクするなど凄い影響力

目黒蓮が主演を務めるフジテレビ月9『海のはじまり』も順調なスタートを切った。元恋人の死をきっかけに娘の存在を知り、シングルファーザーとしての役割を果たそうと奮闘する青年・月岡夏(目黒)が主人公の物語。

目黒の出世作『silent』(22年10月期)の村瀬健プロデューサー、脚本家の生方美久氏、監督・風間太樹氏らが再結集して制作される作品ということで放送前から注目度は抜群に高く、 『海のはじまり』の初回放送はX(旧ツイッター)の世界トレンド1位の好スタートを切った。

「第1話のコア視聴率は2.9%でした。悪い数字ではないですが、期待以上の数字というほどではなかったのではないでしょうか。『silent』は4%台取っていましたからね。伸び悩んだ要因としては、同時間帯に人気番組『しゃべくり007』(日本テレビ系)の2時間SPが放送されていたことが大きいでしょうね」

『しゃべくり007』はフジの月9にとって強力なライバル。『海のはじまり』初回の7月1日の放送では、市村正親(75)が息子の市村優汰(16)とテレビ初共演を果たすということで、いつにも増して注目されていた。

「ただ月9の現状を考えると、『海のはじまり』がコア2.9%というのは良いですよね。同枠は大沢たかおさん(56)、中谷美紀さん(48)、二宮さんがトリプル主演を務めた『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(23年10月期)が大惨敗して以降、永野芽郁さんが主演の『君が心をくれたから』(24年1月期)、広瀬アリスさん(29)主演の『366日』(24年4月期)まで、数字的には絶不調ですからね」

『海のはじまり』の第2話(8日放送)には、実在する鎌倉の銘菓『鳩サブレー』が登場したが、放送後に販売元である豊島屋の公式サイトが一時サーバーダウンする事態に。その影響力の強さを感じさせた。

「人気絶頂の目黒さんが主役ですし、共演も有村架純さん(31)、大竹しのぶさん(66)、池松壮亮さん(33)と名優揃い。シナリオや演出も『silent』の制作陣でハイクオリティ。『鳩サブレ―』が良い例ですが、今後も社会現象を巻き起こすようなドラマになっていきそうです」

■クドカン作品への高い期待値

『ブラックペアン』と『海のはじまり』。前評判の良かったドラマが順調なスタートを切った夏ドラマだが、

「“本命”の2作以外にも、小池栄子さん(43)主演の連続ドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系/水曜夜10時~)の初回(7月3日)が、『海のはじまり』と同じくコア2.9%のスタートだったんです。こちらは宮藤官九郎さん(53)による“クドカン脚本”の作品で、放送前から注目されていた、裏本命とも言える作品ですね」(前出の制作会社関係者)

ドラマ『新宿野戦病院』は、新宿・歌舞伎町にある「聖まごころ病院」を舞台にアメリカ国籍の元軍医ヨウコ・ニシ・フリーマン(小池)と美容皮膚科医の高峰享(仲野太賀/43)が活躍する救急医療エンターテインメント。

クドカン脚本は重いテーマをシュールなギャグで中和する作風で知られるが、本作も医療を絡めつつトー横キッズや外国人難民、生活保護など現実社会をリアルに描いている点が評価されている。

一方で、クドカン脚本といえば『不適切にもほどがある!』(24年1月期)などTBSドラマのイメージが強いが、それを引き合いに演出面への批判の声も目立ち、賛否両論となっている。

《強烈なキャラクターと随所に仕込まれてるネタ要素でぱっと見コメディタッチになってるけど、生々しくてヘビーな社会問題を扱っていくんだろうな。クドカン先生、すごいなあ》
《めっちゃオモロかった入管法問題とか排外主義や差別など…さまざまな社会問題を上手く取り上げててさすがクドカンって感じで早く続きが観たくなったわ》

《演出とホンの噛み合わなさが気になってしまった。台本的には1.5倍速くらいのテンポ想定じゃない?(略)TBSだったらもっと早いテンポで作るだろうな》
《面白いんだけど若干クドカンぽくない、フジの演出とか画質見え方のせいかな?》

『新宿野戦病院』の初回が放送された7月3日は、フジ水10枠の強力なライバルである『水曜日のダウンタウン』(TBS系)は特番『世界衝撃映像×極限ミステリー』の影響で放送休止。逆に、通常時は時間が被らない『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系/通常は夜9時~10時)が2時間SP(~11時)だったため、ライバルとなっていた。

「7月クールのドラマは、福原遥さん(25)主演で7月13日スタートの『マル秘の密子さん』(日本テレビ系/土曜夜9時~)や25日スタートの松下奈緒さん(39)主演の『スカイキャッスル』(テレビ朝日系/木曜9時~)など、まだ多くの作品が控えています。

意外な“伏兵ドラマ”のクオリティが高く大人気を博す展開もありますが、まずは本命の『ブラックペアン シーズン2』と『海のはじまり』が堅調な船出となり、クドカン作品の『新宿野戦病院』にもかなり期待できそうな空気が漂っているスタートとなりましたね」

昨年以上となりそうな酷暑で、夜は外出せずにテレビを観る人が増えそうな2024年の夏。どのドラマが多くの視聴者を獲得するのか――。

© 株式会社双葉社