ユーロ圏の賃金上昇率、6月は前年比3.7%に加速=インディード

[フランクフルト 10日 ロイター] - 求人情報サイトのインディードが10日公表したデータによると、ユーロ圏の6月の賃金上昇率(求人広告ベース)は前年同月比3.7%となり、前の3カ月の3.5%から加速した。給与が物価を引き続き追いかけている。

このデータは欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストであるレーン専務理事が頻繁に言及。最新の「インディード賃金トラッカー」はECBの予測とほぼ一致しており、年内にあと1、2回の利下げが実施されるとの予想が変わることはなさそうだ。

ただ、6月の賃金上昇率はパンデミック(コロナ大流行)後のピークである5.4%を大きく下回っている。

インディードによると、フランス、ドイツ、アイルランドでは賃金の伸びは横ばいか縮小しており、すでにパンデミック前の水準かそれに近い。一方、イタリア、オランダ、スペインでは賃金上昇率は上向き、依然として高い水準にあるという。

インディードの予測によると、既存の雇用も含むユーロ圏全体の従業員1人当たり報酬は6月までの3カ月で5.0%増加。一時的報酬を含むこともある妥結賃金に押し上げられた。

また、「求人広告件数の継続的な減少」は欧州労働市場の需要圧力が徐々に和らいでいることを示唆しているという。

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