欧州、トランプ氏の外交情報収集急ぐ 前政権高官と相次ぎ会談

Gram Slattery

[ワシントン 9日 ロイター] - 米大統領選の共和党トランプ氏陣営で外交政策顧問を務めるキース・ケロッグ氏が最近数日間に欧州の外相を含む高官らと相次いで会談したことをロイターに明らかにした。会談相手や内容など詳細の説明は避けた。

ケロッグ氏はトランプ前政権で国家安全保障会議(NSC)の首席補佐官を務めた元陸軍中将。現在はトランプ氏と定期的に連絡を取っているものの、トランプ氏や選挙陣営を代表して会談に臨んだわけではないと強調している。北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が9日にワシントンで開幕したのに合わせ、欧州の複数の高官と会談を行った。

民主党のバイデン大統領は6月27日の大統領選討論会で精彩を欠き、トランプ氏再選の可能性が高い様相となっている。トランプ氏はウクライナ追加支援に疑念を表明し、NATO加盟国の国防費支出が過少との批判も繰り返していることから、欧州の同盟各国政府はトランプ氏の外交政策情報の収集を急いでおり、トランプ前政権高官に接触を繰り返している。

トランプ氏陣営のほかの外交政策担当者3人はロイターに対し、欧州側からNATO首脳会議に合わせた会談の打診を受けたが、主に都合が付かず実現しなかったことを明らかにした。3人は非公式の議論が前提のため報道では匿名を求めた。

ケロッグ氏はロイターの取材に会談相手を明らかにしなかったが、Xにウクライナ最高会議(議会)のルスラン・ステファンチュク議長との「非公式な会談」と称する写真付きの投稿を8日に行っている。

トランプ前政権で国家情報長官代行だったリチャード・グレネル氏は旧ユーゴスラビアの北マケドニア(旧マケドニア)のミツコスキ首相と会談した。同首相が8日にフェイスブックに投稿した写真で判明した。

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