欧州の新型ロケット「アリアン6」、初の打ち上げ成功 競争激化

Tim Hepher Joey Roulette

[パリ 9日 ロイター] - 欧州宇宙機関(ESA)は9日、新型主力ロケット「アリアン6」の打ち上げに初めて成功した。打ち上げが繰り返し延期され、宇宙開発競争で出遅れていた欧州だったが、ようやく成功にこぎ着けた。

アリアン6は、エアバスとサフランが共同出資するアリアングループによって推定40億ユーロ(43億3000万ドル)かけて開発された。当初は2020年に予定されていた初打ち上げは何度も延期されてきた。

この日の打ち上げはフランス領ギアナで1900GMT(日本時間10日午前4時)ごろに行われた。

商業用ではないものの、研究目的の超小型衛星3セットの軌道投入に成功。ただ、パワーユニットの不具合で最終のペイロードが放出できなかったという。

今回の打ち上げ成功を受け、ESAは年末までに2回目を行う計画だ。

フランス国立宇宙研究センター(CNES)のフィリップ・バティスト総裁は「欧州が宇宙に戻ってきた」と喜んだ。

ルメール仏経済・財務相は「欧州が中国や米国と同じように活動する能力については、時に不安や疑念がある。アリアンによって、われわれは決意と集団的意志で同レベルで活動できることを証明しつつある」とESA職員らに語った。

ただ欧州の政府関係者は、アリアン6が採算が取れるようになるまでにはしばらく時間がかかるだろうとの見方を示した。

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