スカボロー礁周辺の環境良好と中国、フィリピンの懸念退ける

[北京 10日 ロイター] - 中国の国営新華社通信は10日、同国が実効支配する南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の周辺は健全なサンゴ礁を持つ優れた海域と判断されたと報じた。

さまざまな政府機関や学術研究センターなどによる評価で、スカボロー礁の周辺は重金属や炭化水素、その他の汚染物質の濃度が低く、優れた環境であることが明らかになったとしている。

調査報告を引用し、海水や海洋堆積物、魚から毒性の高いシアン化物は検出されず、周囲は浮遊ゴミの密度が低いと伝えた。

フィリピンは5月、中国の漁師がシアン化物を使った漁業でスカボロー礁の生態環境を破壊したほか、シャコガイなどの保護対象の海洋生物の採取したり、サンゴ礁に傷をつけたりしたと非難した。

フィリピン近海、特にスカボロー礁で中国の漁師による破壊は中国政府によって「容認」されていると主張した。

一方、中国自然資源省は今週、南シナ海のセカンド・トーマス礁(中国名・仁愛礁、フィリピン名・アユンギン礁)にフィリピン軍艦が「違法」に座礁しており、周辺のサンゴ礁の生態系に「深刻なダメージ」を与えているとする報告書を公表した。

フィリピンはこれを否定している。

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