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江蘇省と浙江省はヤマモモの生産地が多い。そしてヤマモモの生産を最も得意としている地域というと、浙江省の仙居県を挙げないわけにはいかない。
中でも「東魁楊梅(Morella rubra 'Dong Kui)」と呼ばれる品種のヤマモモが最も人気となっている。この品種は「果実のサイズが卓球のボールくらい」「肉厚でジューシー、しかも種が小さい」「酸味と甘みの割合が完璧」といった特徴を備えている。
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仙居県産のヤマモモは、中国人だけでなく、外国人の「胃袋」もわしづかみにしている。ドバイでは1粒なんと60元(約1300円)という超高値で売り出されたことがあるほどだ。
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仙居県とヤマモモの「出会い」は1000年以上前のことで、同県ではその効果的な栽培スタイルが確立されているほか、テクノロジーを活用して、時代と共に進化を続けている。
現地政府のサポートの下、ヤマモモを生産する王洪友(ワン・ホンヨウ)さんはここ数年、スマートビニールハウスを設置。温度調整や散水、点滴灌漑などの一連の操作をスマホで行うことができるようになっている。
また、完熟したヤマモモの保存、輸送技術も仙居県で確立されている。保冷剤やガス置換包装、真空パック、窒素ガス充填包装といった専用の梱包方法を駆使して、ヤマモモの鮮度をできるだけ長く保ち、航空輸送と陸上輸送を組み合わせた専用コールドチェーンで目的地へ直送することで、24~48時間以内に仙居県のヤマモモを消費者の食卓に届けることができるようになっている。
ヤマモモの保存と輸送技術が向上したことで、仙居県産のヤマモモの販売対象地域も拡大し続け、海外への輸出も可能となった。そして、すでにシンガポールやアラブ首長国連邦、オランダなどの国や地域に輸出されているほか、ドバイの王室からも注文を受けているという。
ヤマモモは仙居県の人々の生活を豊かにしている。2023年の同県のヤマモモの生産量は12万トンで、生産高は11億2000万元(約246億円)に達した。そして、生産農家の増収額は平均約3万5200元(約77万円)、産業チェーン全体の生産高は約40億元(約880億円)に達した。
ヤマモモをフルーツとして販売するだけでなく、仙居県の人々はそれを使った料理も打ち出している。例えば、ヤマモモをスペアリブと組み合わせると、色も香りも口当たりにも優れたヤマモモスペアリブが出来上がる。また、ヤマモモ味の氷粉(四川風ゼリーデザート)を暑い夏に食べると、さっぱりとしていてとてもおいしい。
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ヤマモモの旬は6月中旬から7月中旬にかけての短い期間だ。それ以外の季節にも独特な甘酸っぱさが特徴のヤマモモを味わってもらおうと、仙居県の人々はいろいろと工夫をしている。例えば、現地でヤマモモを生産するリーディングカンパニー19社はヤマモモを原料として、ヤマモモの100%ストレート果汁、ヤマモモ酒、ヤマモモのドライフルーツ、ヤマモモ入りのパイ菓子、ヤマモモ入りの緑豆スイーツ、ヤマモモ味の麻花(ねじり揚げ菓子)といった商品を開発している。こうした商品のおかげで、ヤマモモは、旬の季節だけでなく、1年を通して人気の産業へと発展している。こうして仙居県のヤマモモは今や年売上高40億元規模の大産業に成長している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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