マカオ、電動車椅子利用した密輸事案が1日で3件摘発…60代の男女が運び屋に従事

電動車椅子利用して密輸を図った事案の例(写真:澳門海關)

 澳門海關(マカオ税関)は7月10日、このところ電動車椅子を利用して違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に従事する状況が見受けられ、これに対する取り締まりの一環として各イミグレーション施設のおける税関検査を強化して臨む中、前日(9日)中国本土との主要な陸路の玄関口にあたる關閘イミグレーションで電動車椅子を使った密輸事案を3件摘発したと発表。

 税関によれば、電動車椅子に乗った男女3人はいずれも税関検査場において申告物なしのレーンを通過しようとしたが、緊張した面持ちや税関職員を避ける動作など不審な点があったことから呼び止めて手荷物検査を行った結果、2人の電動車椅子の中から茅台酒が各4本(いずれも密輸入)、1人から中古スマートフォン104台(密輸出)が発見されたとのこと。なお、それぞれ改造して作った空きスペースや電池ボックス内に隠されていたという。

電動車椅子利用して密輸を図った事案の例(写真:澳門海關)

 上述の3件の密輸事案に関与した3人は マカオ居民・中国本土居民・香港居民(60〜67歳)の男女で、税関では全員を最高5万パタカ(約100万円)の罰金が課せられる対外貿易法違反で起訴するとともに、密輸品を押収済みとした。

 目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2024」が展開中。税関でも水際における警戒を強化して臨んでおり、市民に対して物品の出入りに関する法令の遵守、また報酬を得て違法な運び屋行為に関与することがないよう累次の呼びかけを行っている。

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