大槌町、不登校対策を本格化 心のケア従事者らとチームを結成

 

 大槌町が特別支援教育の視点を取り入れた不登校対策を本格化させている。東日本大震災後、児童生徒の心のケアに当たったスクールソーシャルワーカー(SSW)や児童精神科医らと支援チームを結成。知見を生かし、一人一人の事情や特性に応じた多角的な支援を展開している。11日で震災から13年4カ月。不登校が増加傾向にある中、「心の復興」の歩みを誰一人取り残さない学びの実現につなげようと奮闘している。

 一連の対策は町の木の名を冠し、子どもの健やかな成長を願い「けやき共育(きょういく)」と名付けた。震災後から児童生徒の心のケアに当たり、現在は町教委SSWを務める南景元(ナムキョンウォン)さん(42)=韓国出身=や児童精神科医、町教委、町の福祉部局、教育相談員らが昨年度から連携。震災後の経験や医学的な助言を踏まえ、本年度に支援メニューを充実させた。

 柱の一つが多様な学びの場の確保だ。学校には通えないが外出できる児童生徒向けに、町こども教育センターOLAI(おらい)の空き室を開放。支援員と教育相談員各1人が常駐し、学びを見守る。

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