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[シンガポール 11日 ロイター] - ヘルシンキ拠点の独立系研究機関、エネルギー・クリーンエアー研究センター(CREA)によると、中国が今年上半期に承認した鉄鋼プロジェクトのうち、石炭を使う案件はゼロだった。欧州連合(EU)が導入する新たな炭素税の影響に備え、中国は生産時の二酸化炭素(CO2)排出を削減したグリーンスチールへのシフトを加速させている。
CREAが11日公表した報告書では、中国地方政府は今年上半期に新たに710万トンの製鋼能力を承認したが、その全てが石炭を使わない電気炉(EAF)プロジェクトだった。
中国の減産努力とEAFによるスクラップの再利用により、2026年までに鉄鋼業からのCO2排出を2億トン削減できる可能性があり、これはEUの鉄鋼業界の全排出量に匹敵するという。
世界最大の中国の鉄鋼業界に対する脱炭素化圧力は強まっている。EUが輸入する鉄鋼製品は来年から国境炭素税の対象となり、2030年までに今より11%割高になる可能性がある。
報告書の共著者のXinyi Shen氏は「EU市場をターゲットとする中国の鉄鋼メーカーは、競争力を維持するために製品の炭素強度を下げる必要がある」と指摘した。
従来の高炉鋼材は2030年までに1トン当たり約250元を課税される可能性があるが、スクラップベースのEAF鋼材はまだその対象外という。