「年金より就職」… 選挙権得た18歳も選挙に関心

 初めて選挙権を得た神奈川県内の18歳をはじめとする若者たちも、参院選に大きな関心を寄せている。これまでは遠かった政治の世界だが、新鮮な目で各党や候補者の主張を見定めようとしている。自分たちが歩む道とこの国の針路を重ね合わせて。

 横須賀市内の県立高校に通う3年の男子生徒(18)は「自分たちの世代は『年金』と言われても投票する気になれない」。関心があるのは、大学の授業料や就職といった身近なテーマだ。

 そうした問題を捉え直す上でも「投票はいい機会」だと感じる。さまざまな問題が指摘された安全保障関連法については、「違憲かどうかはよく分からないけれど、これからもっと理解していきたい」。

 来月初旬に18歳になる川崎市内の男子高校生は、その先にある憲法改正の動きを重視する。「10年後、20年後に戦争に巻き込まれるようなことがないか心配。9条は変えるべきではない」。投票には行かないというクラスメートもいるが、「自分たちのことを決めるのが選挙。必ず投票する」と心に決めている。

 政治に対する若者の関心が高まらないのは、「自分の生活との関わりが実感できないからだ」と、座間市在住の私立高校3年の男子生徒(18)は考える。自分もそう思っていたが、「消費税が5%から8%に引き上げられたときに身近になった」。再増税の時期が気になり、「まだ各党や候補者の主張は分からないが、吟味した上で投票したい」と論戦に期待する。保育士を目指す箱根町在住の短大生(18)も消費税が関心事だ。「引き上げるなら保育士の給与を引き上げてほしい」 今回の参院選で初めて選挙権を得た横浜市青葉区の女子大学生(20)は、若者が抱く将来への不安を代弁する。「私たちの世代は、働いても安定が得られるとは思えない」。これまで「政治で何かが変わると感じたことはない」が、「候補者の発言や行動をチェックして投票する」つもりだ。

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