浦賀奉行所の復元を 協議会が発足式

 2020年に開設300年を迎える浦賀奉行所の復元協議会の発足式が22日夜、横須賀市浦賀の浦賀行政センターで開かれた。貴重な歴史的遺産として往時の姿を復元するよう、同市に求めていく。会長には郷土史家の山本詔一さん(66)が就いた。

 同奉行所跡地は現在、小さな掘割や石橋などが残るのみで当時の様子はうかがえない。ペリー来航など開国の歴史を伝える奉行所の価値を再認識しようと、同奉行所与力だった中島三郎助を研究する「中島三郎助と遊ぶ会」が、2月から各団体に呼び掛けてきた。

 発足式には横須賀開国史研究会、浦賀商友会はじめ計16団体などから約120人が出席した。山本会長は「浦賀奉行所は日本を支えた巨大な役所。現在は企業のアパートになっている跡地約5900平方メートルを手に入れ歴史公園とするのが復元への第一歩」と述べた。

 来賓の田神明副市長は「開国の舞台を後世に引き継ぎたい。市として何ができるか、市民のみなさんと力を合わせることが大切」と話した。

 同奉行所は1720(享保5)年12月、伊豆下田から移設。江戸に入る物資を調査し江戸経済の安定を図るとともに、異国船から江戸を防備するため海防の最前線としての重要な役割を果たした。

 同協議会は運営のための協賛金(1口千円)を広く市民から募集する。問い合わせは、同事務局(金文堂信濃屋書店内)電話046(841)0057。

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