環境配慮、五輪に学ぶ セーリング江の島開催へ

 五輪における環境配慮の取り組みを学ぶ勉強会が5日夜、鎌倉市の由比ガ浜海水浴場で開かれた。2020年東京五輪セーリング競技が江の島(藤沢市)で開かれる際の参考にしようと、湘南地域の市民有志でつくる「江ノリンピック盛り上げ隊」が企画。12年ロンドン大会の事例を専門家が解説した。

 同隊は、市民の五輪への関心を高めようと15年11月に結成。多くの個人や団体にそれぞれの立場で五輪との関わり方を模索するヒントにしてもらおうと、定期的に勉強会を開いてきた。

 これまでは「五輪とは」「セーリングとは」といった基本的なテーマ設定だったが、今回は一歩踏み込んで企画。レース海域となる湘南地域の海水浴場が長年ごみ問題に悩まされてきた経緯もあり、五輪と環境問題をテーマに選んだ。

 海の家を会場に開かれたこの日の勉強会には、メンバーら約20人が参加。NPO法人「持続可能な社会をつくる元気ネット」事務局長の鬼沢良子さんが講師を務め、現地で取材したロンドン五輪時の取り組みを紹介した。

 鬼沢さんは廃棄物循環の仕組みをはじめ、非政府組織(NGO)や企業の環境保全への取り組み、大会後のオリンピックパークの再開発などを説明。こうした構想は開催の5年前から練られてきたことを踏まえ、「東京五輪まであと4年。もう準備しておかないといけない」と指摘した。

 また、会場都市の地元住民に向けては、「五輪後にどうあってほしいのか、今から少しずつ考えて自分事にしてほしい。そうしないと、せっかくの大きな祭典も終わってさあどうしようとなり、大きくて立派な施設や設備を持て余してしまう」と話していた。

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