改憲勢力躍進「怖い」 19歳「もっと関心を」

 「大変なことになってしまった」 大学2年の齊藤二希子さん(19)=横浜市港南区=は10日夜、改憲勢力が議席を伸ばしていくネットニュースを見て漏らした。

 今春、憲法をテーマにした市民劇に出演した。ブラック企業や生活保護の問題を取り上げ、憲法が人々の生活を支えていることを伝えるストーリー。弁護士からの説明や生活保護費削減に苦しむ人の生の声を聞き、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利「生存権」などを定めた憲法の役割に理解を深めた。

 「憲法は国民の権利をきちんと明言しているもの。守っていかなければいけない」。参院選では、憲法の理念を大切にする候補に初めての1票を投じた。だが、結果は改憲勢力の躍進。「一つの条文でも変われば止まらなくなるのが怖い。知らない間に、国民の権利を守る防波堤の役割がなくなってしまうのではないか」と危機感を強める。

 仲のいい友達とは社会問題についても話し合うが、同じ授業を受けている友人に「選挙に行くの?」と驚かれた。「今回の結果は投票率の低さもあると思う。もっと多くの人が関心を持ってほしいし、自分も関心を持ち続けたい」

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