岸壁に臨時免税店 横浜港おもてなし作戦 客船の外国人に照準

 横浜港大黒ふ頭(横浜市鶴見区)に着岸する大型クルーズ客船の外国人客に向けて観光消費を促そうと、市内商業施設が一体となり、臨時免税店の出店やガイドマップ配布などの取り組みを始めた。6千人超の乗客乗員に横浜をアピールする絶好の機会とあって、市港湾局は「おもてなしのさらなる充実を図りたい」としてセールス活動を拡大する考えだ。

 アジアで運航する最大の外国客船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」(16万8666トン)が6月26日朝、大黒ふ頭の貨物用岸壁に着岸した。中国人を中心とした乗客は約4500人、乗組員を加えると約6400人と横浜港では過去最大の規模だ。

 普段は自動車や建設用機械などを輸出する岸壁にはこの日、臨時の免税店が並び、中国人客に人気の130種類もの商品を取りそろえた。ステンレス製の小さな水筒やフードジャーをはじめ、女性用フェースマスクや化粧品など2千〜3千円相当の商品をまとめ買いする人たちでにぎわった。

 出店したのは「ドン・キホーテ」などの大型量販店や市内百貨店、商業施設と横浜観光コンベンション・ビューローでつくる「横浜ショッピング・キャンペーン実行委員会」(会長・中村好明ジャパンインバウンドソリューションズ社長)。横浜への外国人観光客の誘致を目的に2014年に設立し、共同販促を模索してきた。

 今回は「ヨコハマ・グッズ 横濱001(ゼロゼロワン)」の商品見本を展示したほか、店舗や飲食店を紹介するガイドマップを配布して市内観光に役立ててもらうようにした。ジャパンインバウンドソリューションズの田原和彦さんは「市内の商業施設が一体となれるのは横浜ならではの強み。大型客船で訪れる大勢の乗客に市内を巡ってもらえるよう今後も盛り上げていきたい」と意気込む。

 臨時免税店の出店をはじめ、公衆無線LANや両替サービスなどの提供を支援した市港湾局の担当者は「地域経済を活性化するため、外国人の観光消費を増やす取り組みを引き続き支援したい」と話している。

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