至高の一杯目指す 「吉田町モヒート」

 「バーの町」として知られる神奈川県横浜市中区の吉田町が、夏の定番カクテル「モヒート」の材料に地元の素材を生かそうと、オリジナルのモヒートをコンペ形式で募っている。材料には、横浜らしさを追求した条件を設定。町内の22店舗が独自のレシピで挑んでおり、「吉田町モヒート」と命名される至高の一杯を目指す。

 企画したのは「Barのある町・よこはま吉田町」をキャッチフレーズに掲げる吉田町町内会。この地に集まるバーは52店舗あり、「バー・ノーブル」のオーナーバーテンダー山田高史さんは2011年のIBA世界カクテルコンペティションで優勝した実績がある。

 横浜は日本でのカクテルやバー発祥の地で、世界のカクテルブックに掲載された日本初のレシピ「バンブー」が生まれた場所。町内会長の今井大さんは「横浜の材料で横浜ならではのオリジナルカクテルを吉田町で作れないか」と、町内会の若いバーテンダーに働き掛けて企画が始まった。

 材料として使う炭酸水、ハーブ、ベースが決められている。

 「横濱オリツルサイダー」のブランドで明治期から展開する坪井食品(同区)が3年前から業務用に販売する「カクテルベース炭酸水」。トニックウォーター、炭酸水、ジンジャーエールの3種類ある。坪井裕平社長は「山田さんが監修し、アルコールとのなじみ、華やかなカクテル、横浜らしさを軸に設計した」という。

 ハーブは、キーストーンテクノロジー(同区)が関内などのオフィスで展開するLED(発光ダイオード)菜園で収穫した「横浜馬車道ハイカラ野菜」。ベースは、サッポロビールが販売する世界最大のラム酒ブランド、バカルディの「バカルディ スペリオール」を採用した。

 三つの材料があらかじめ設定される厳しい条件にもかかわらず、参加店舗が考案したカクテルは多彩だ。8月27日まで600〜900円で提供し、各店舗で客から投票を受け付けるほか、7月30日と8月27日に開かれる「吉田まちじゅうビアガーデン」に各店舗がそろって出店する。

 9月10日に「吉田町モヒート」が決まり、同17日に参加店舗でデビューする予定だ。今井さんは「今後は横浜ベイクォーターや野毛、中華街、元町などにも広がり、『横浜モヒート』として普及してほしい」と期待している。

© 株式会社神奈川新聞社