
パラリンピック競技の一つで、障害の有無や年齢に関係なく誰もが競い合えるスポーツ「ボッチャ」。
京都ボッチャ協会副会長の田中孝洋さん(48)は、8年ほど前に出会い、面白さにはまった。「ボッチャは地域をつなぐ架け橋になれる」と普及に取り組む。「運動が得意でなくてもヒーローになれる。みんなで楽しめる。それが一番の魅力」。
京都府八幡市出身。大学で福祉に興味を抱き、社会福祉法人に就職して、7年勤めた後、トヨタカローラ京都(京都市中京区)に転職した。営業などを経て、企画や広報の担当になり「地域の架け橋になることを始めてほしい」と求められた。ちょうど参加したイベントでボッチャに出会った。
二手に分かれ、赤と青のボールを6球ずつ投げて、白い目標球「ジャックボール」との近さを争う。目標球や相手ボールに当てて動かしても良い。手でボールを投げられない人は、滑り台の様な器具を使い、角度や高さ、向きを指示して定めたコースにボールを転がす。運動能力によらない頭脳戦の面白さに魅了され、同時に「地域に交流を生むのはこれだ」と思った。
ルールや運営を学び、2017年から勤務先の事業の一環で京都府域での普及活動を始めた。地域や学校が催す体験教室を手伝い、審判や運営の講習会を開いた。東京パラリンピックに向けて注目度や人気が高まり、次第に社内の事業として対応できる以上のオファーが届くように。19年に、京都障害者スポーツ振興会などと協力して京都ボッチャ協会を設立した。
月に2~4回、府内各地に出向き、体験会や競技会で運営の手伝いや審判をしている。「気づいたら女の子と車いすの男の子が勝手にボッチャで遊んでいたり、介助する人とされる人が対戦したりする。一緒に楽しむのに障害者、健常者は関係ない」と笑顔で語る。
毎年開く「トヨタカローラ京都杯」では、障害の有無で出場クラスの違いは無い。「『パラ』という区切りはしないで、みんなが楽しめるスポーツにしたい」と思いを込める。
京都協会で審判などを担う会員は約30人とまだ少ない。「体験会を支える側として、この競技の楽しさがより分かるようになった。多くの人に楽しんでもらい、支える人が増えることにもつながってほしい」。
