
【新華社広州6月18日】中国南部で伝統的に受け継がれてきた「醒獅」は、千年以上前の唐代の宮廷で行われた獅子舞に起源を持つ「南獅」の一種で、広東省では厄よけや招福の象徴とされる。祝祭や大規模なイベントでは必ずといっていいほど登場し、場を盛り上げてきた。
その醒獅文化の継承に取り組んできたのが、広州市出身の趙偉斌(ちょう・いひん)さんだ。獅子舞一家に生まれ、5歳から父に師事して芸を学び、40年以上にわたって獅子舞演者としての道を歩んできた。中国の国家級無形文化遺産である「広東醒獅」の代表的伝承者として、伝統の保護と現代化を両立させる活動を続けている。
「醒獅は時代の変化に合わせて革新を続けてきたからこそ、今日まで伝えられてきた」と趙さんは語る。

趙さんは、醒獅を異なるジャンルと組み合わせることで、現代文化との融合を図ってきた。ミュージカル「雄獅少年」は2024年の初演以来、中国の多くの都市での巡演を成功させ、民間芸術の魅力を若年層に広めている。醒獅とヒップホップダンスを組み合わせた子ども向けの舞台作品の創作にも参加し、上海児童芸術劇場で2年間に16回上演。いずれも満席となった。
広州市の永慶坊にある「趙家獅無形文化遺産生活館」では、100種類以上の醒獅関連グッズを取りそろえ、観光客の人気を集めている。趙さんはさらに、3Dプリントによる獅子頭の製作、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を使った醒獅体験、人の動きに連動して動く「体感ロボット」の開発など、醒獅と科学技術の融合も進め、伝統芸能に新たな魅力を吹き込んでいる。(記者/鄧瑞璇)

