熱中症予防、故乙葉さんと 米沢・両親と市教委がリーフレット作成、命を守るすべ紹介

熱中症対策を掲載した「乙葉リーフレット」

 米沢三中1年だった女子生徒が2023年夏、学校からの帰宅途中に熱中症で倒れ、その後、亡くなったことに対し、両親と米沢市教育委員会が「同様の悲劇を繰り返してほしくない」との思いを込めた熱中症予防策の「リーフレット」を作成した。市内の全小中学生に配布する。熱中症の諸症状や小まめな水分補給など、「命を守るすべ」を記載している。母親は「多くの命を守ることにつなげたい」と語った。

 熱中症で亡くなったのは当時13歳だった島扇乙葉(しまおおぎおとは)さん。父直人さん(41)と母郁美さん(39)は娘との別れに気持ちが追い付かず、これまで乙葉さんの名前を公表してこなかった。悲劇から2年近くが経過し、多くの人に熱中症の恐ろしさを訴えようと、予防策などを1枚にまとめ、タイトルは娘の名前を付けた「乙葉リーフレット」とした。

 リーフレットには、こまめな水分補給、冷たいタオルで脇の下や首を冷やす、扇風機やエアコンを使っての温度調節などの予防策を記した。また、立ちくらみや大量の発汗、頭痛をはじめ熱中症の諸症状を紹介。「意識がない」「呼びかけても返事がおかしい」といった命に危険がある状態にも触れ、迅速な119番通報を呼びかけている。

 表紙のイラストは、剣道に励んでいた乙葉さんをイメージして郁美さんが描き、同級生を含む三中生も挿絵を手がけた。郁美さんは「乙葉が『上手に描いてくれてありがとう。私も描きたいな』と言っている気がする」とし「乙葉が見守ってくれて完成した。今後もできることを続ける」と思いを述べた。

 発行日は、乙葉さんの15回目の誕生日に合わせた今月15日とした。18日から市内の全小中学生を対象に配布を始めた。米沢三中の女子生徒(14)は「自宅と学校の距離が離れている。小まめな水分補給や休憩をはじめ、分かりやすく示してもらった対策で命を守っていく」と話した。

 リーフレットはA3判の二つ折りで、8千部製作。希望があれば学校以外の施設などにも配る。問い合わせは市教委0238(22)5111。

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