桐光、延長サヨナラ 高校野球神奈川大会第15日

◆4強出そろう 第98回全国高校野球選手権神奈川大会第15日は28日、横浜スタジアムで準々決勝2試合を行った。第1シードの横浜が16−3で第2シードの横浜隼人に七回コールド勝ちしたほか、第2シードの桐光学園は第1シードの藤沢翔陵に3−2でサヨナラ勝ちし、それぞれ準決勝に進出した。横浜、桐光とも2年連続の4強入り。

 横浜はエース藤平尚真(3年)の2本塁打、7打点の活躍などで、横浜隼人を圧倒した。桐光は延長十一回1死二塁で、清水太一(3年)が左前にサヨナラ打を放った。

 29日は試合がなく、第16日は30日、同スタジアムで準決勝2試合を行う。第1試合(試合開始午前11時)は慶応−桐蔭学園、第2試合(同午後1時30分)は横浜−桐光学園。◆次は「木っ端勝ち」 延長十一回1死二塁。桐光学園の清水が放った4本目の安打がライナーで左前に抜けていく。二走の延命がホームへ。九、十回に逸していたサヨナラ機を三度目の正直でようやくものした。

 これまで主砲の中川が勝負を避けられることが多く「自分が打たないと点が入らない」とプレッシャーに苦しんでいたという5番打者。三回の同点打に続く殊勲打を放ったヒーローは「また自分にチャンスが回ってくると分かっていた。打ててやったーと思った」と喜びを爆発させた。

 同点の五回にエース中川を投入する昨夏からの必勝パターンだったが、決定打が出ない。十回無死満塁では投直に三走が飛び出し併殺。このミスには温和な野呂雅之監督(55)も「全て忘れろ。切り替えていけ」と声を荒らげたという。

 昨夏は準決勝で横浜にサヨナラ負けし、秋の関東大会も2年続けて1点差で敗退。新たに、大量得点して相手を圧倒する意味で「木っ端勝ち」とのキャッチフレーズを掲げ、体づくりから見直してパワーとスピードを磨いてきた。

 ただ、指揮官は「これまでのうちのスタイルを踏まえた上での強打。ライナーバックにしても、もう一回徹底しないといけない」と、横浜との決戦を前に基本の徹底を強調する。

 ミスもあった重い空気を振り払った清水は、昨夏の準決勝は応援席で悔しい思いをしていた。「来年は自分が出て横浜に絶対に勝つと決意していた。少ないチャンスで藤平、石川から1本打って勝ちたい」。待ち望んだ舞台で「木っ端勝ち」してみせる。

© 株式会社神奈川新聞社