雷雨、避難勧告も 県内各地で浸水、停電

 上空に寒気が入り込むなど大気の状態が不安定になった影響で、神奈川県内は2日未明、各地で激しい雷雨となった。横浜、川崎市内を中心に住宅の床上・床下浸水が相次ぎ、落雷による停電も多発、鉄道のダイヤも乱れた。横浜市は土砂災害警戒情報の発表を受けて、神奈川、緑、都筑区の計48世帯に避難勧告を発令した。

 同市によると、鶴見区では2日午前4時からの1時間に83ミリの猛烈な雨を観測し、区内の住宅5棟が床下浸水。南区では住宅建設現場の擁壁が崩れ、土砂が流出した。川崎市川崎区と幸区でも住宅計33棟が床上・床下浸水し、秦野市でも1棟が床下浸水となった。

 急激に強まった雨の影響で大磯町の不動川は一部で氾濫危険水位(180センチ)を超えた。同町ではJR東海道線をくぐる県道が冠水、車1台が立ち往生した。横浜市戸塚区の平戸永谷川も一時、堤防の高さ(350センチ)を上回る水位となった。

 東京電力パワーグリッド神奈川総支社によると、落雷が原因とみられる停電は横浜市緑区や泉区、藤沢市、綾瀬市などで計約1万3千軒発生。落雷の影響で相鉄線のダイヤが乱れたほか、JR鶴見線は線路の冠水などが相次いだため始発から運休し、全線での再開は2日正午にずれ込んだ。

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