「議員と憲法カフェ」が誕生 横浜で初回、市民ら本音トーク

 7月の参院選の結果、憲法改正の発議に必要な衆参両院の議席「3分の2」を改憲勢力が得た。そんな中、間もなく本格化しそうな国会での改憲論議に有権者の声を反映させてもらおうと、国会議員と市民が一緒になって憲法を学ぶ「議員と憲法カフェ」が誕生した。7月下旬に横浜市で開かれた初回は、国会議員2人と市民約40人が本音トークを繰り広げた。「カフェ」は今後も定期的に開くという。

 主催は市民有志でつくる「憲法カフェリレーかながわ」。憲法をまず知った上で議論しようと、与野党問わず議員を招き、県内各地で継続的に憲法カフェを行うことを目標としている。

 第1回は、安倍政権下での改憲阻止を掲げ、参院選神奈川選挙区で当選した民進・真山勇一氏と、衆院議員の民進・阿部知子氏(衆院比例南関東)が参加した。

 真山氏は「現行憲法は権力を縛る、という立憲主義が基本。そこを変える必要は全くない。民進党の中で意見を交わし、党としての統一見解を出せるよう頑張りたい」と強調。阿部氏は「現行憲法は個人の尊厳を大事にしている。だが、いまの自民党は個人より国家を重んじる。有権者なしに政治は成り立たない。国民一人一人が憲法をわがこととして捉えて」と呼び掛けた。

 参院選では、市民と野党が共闘する新しい形が生まれた。主婦(47)は「議員とつながりができ、垣根が低くなった。憲法カフェで議員と一緒に話を聞き、意見を言い合うことが特別なことではなくなってきている」と話す。

 参加者からは「自分の選挙区の議員を呼んで憲法カフェを開きたいので、紹介してほしい」「憲法問題だけではなく、基地問題や安保法制も一緒に勉強したい」といった声が出た。

 講師として「憲法カフェリレー」に参加する弁護士の太田伊早子さん(38)は「憲法は難しい話ではない。憲法カフェの参加者だった市民が、自ら企画し、議員を呼んで開催する動きが生まれている。今後は、市民の憲法意識を議員に伝え、それを国会の議論に生かすことができればうれしい」と話す。

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