原爆の実相伝える 被災者の会がパネル展 小田原市役所

 太平洋戦争末期に広島と長崎に投下された原爆の実相を伝える「平和を願うパネル展」が4日、小田原市役所2階ロビーで始まった。市原爆被災者の会の主催。10日まで。

 パネル展は原爆の惨状を広く、長く語り継ぎ、平和の尊さを伝えるため、戦後70年の昨年から始まった。

 2回目の今回は1995年の被爆50周年に、原爆投下の日に新聞があったらとの仮定で地元の中国新聞労働組合などが製作・発行した「ヒロシマ新聞」を展示した。

 「新型爆弾 広島壊滅」「都市の営み すべて消えた」などの見出しで、爆発から2分後のキノコ雲などの写真とともに、広島の惨状を報じている。そのほか、広島と長崎で被害に遭った県内被爆者の詩画集を12点ずつ紹介している。

 また、今年5月に実現した米国のオバマ大統領の広島訪問に対し、会として「折り鶴は残したが、『核なき世界』の具体的な話はなかった」などの所感を寄せた。大西国夫会長(80)は「見た人に『これから先も絶対に戦争を引き起こさない』との思いを持ってもらえたら」と話している。

 同ロビーでは、市主催の平和パネル展も15日まで開催されている。

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