江戸から伝わる「虎踊り」 横須賀・野比地区

 横須賀・野比地区に江戸末期から伝わる郷土芸能「虎踊り」が6日夜、地元の白髭神社イベント広場で披露された。着ぐるみの虎が暴れるように踊りながら倒立などの曲芸を成功させ、住民ら約350人の喝采を浴びた。

 2年に1度の奉納に合わせ、地元保存会が約70年ぶりに手作りした「新虎」も登場。2人一組の演じ手が入れ替わりで着ぐるみに入り、「しっちょい」や「谷のぞき」「一本杉」など六つの虎芸を披露。唐子に扮(ふん)した小学生の愛らしい手踊りにも、大きな拍手が送られた。

 野比の中村町内会が継承する虎踊りは1856(安政3)年に始まったとされる。近松門左衛門の人形浄瑠璃「国性爺合戦」に出てくる虎退治が題材で、浦賀地区とともに「横須賀の虎踊り」として国の選択無形民俗文化財になっている。

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