空路活用のボラジェットが軌道 熊本地震の避難所改善支援も

 空路で熊本地震の被災地支援に向かう「神奈川ボランティアジェット」の活動が軌道に乗り始めている。7月半ばにスタートし、これまでに神奈川県内外の約20人が利用。震度7を2度記録した益城町で避難所生活の改善を手助けし、被災者の悩みに耳を傾けてもいる。今月11日には横浜市内で報告会を開き、今後の展開について意見を交えた。

 活動を進めているのは、東日本大震災や新潟県中越地震で支援実績のある団体などが結成した神奈川災ボラ熊本地震支援実行委員会(田口努実行委員長)。

 熊本は距離が遠くボランティアバスを走らせるのは困難なため、空路の活用を発案。財団の支援を受けて7月17日からボランティアを派遣しており、現在は2期(8月30日まで)の参加者を募っている。往復の交通費や宿泊費は参加者の負担だが、3日程度の短期滞在が可能な上、現地では送迎の車が確保されている。

 派遣先は、避難所となっている益城町の総合体育館と特別養護老人ホーム。炊き出しや清掃、庭木の手入れなどに当たっている。

 報告会では、高齢の被災者が食事の片付けなどをボランティア任せにしてしまう傾向が出ていることが指摘され、被災者の自立をどう促すかが課題とされた。14日で地震発生から4カ月となるが、倒壊したまま手つかずの住宅が多いとの報告もあり、「まだ支援が必要」との認識で一致した。

 田口委員長は「経験を積み重ねることで、減災にもつなげたい」と強調。秋までの継続を検討している。

 ボラジェットの問い合わせは、秦好子事務局長電話090(3226)0090。

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