大船署員が調書偽造 「令状を確実に」供述容疑で書類送検

 大麻取締法違反事件の捜査で調書に虚偽の内容を書き込んだなどとして、県警が証拠隠滅と地方公務員法違反の疑いで、大船署の刑事課に所属する40代の男性巡査部長を書類送検していたことが23日、捜査関係者への取材で分かった。県警は近く処分する方針。

 捜査関係者によると、巡査部長は昨年10月、容疑者の男が大麻を所持していたのを目撃したとする人物から聞いた話を基に調書を作成。その際、「屋外で大麻を持っているのを見た」という内容の証言とは別に、「自宅の部屋でも持っているのを見た」と、目撃者が話していない内容を書き加えたという。

 県警は偽造された調書などを基に捜索令状を請求し、男の自宅を家宅捜索。検察官による取り調べの過程で調書改ざんが発覚した。

 巡査部長の書類送検は今月上旬で、容疑は調書への虚偽記載による証拠隠滅(偽造)と、目撃者に捜査情報を漏らし地方公務員法に違反した、としている。

 巡査部長は「男の関係先の捜索令状を確実に取りたかった」などと、容疑を認めているという。県警は「厳正に処分する」としている。

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