元大船署員に罰金50万円 調書偽造で略式命令

 大麻取締法違反事件の捜査で調書に虚偽の内容を書き込んだとして、横浜区検は26日、証拠隠滅と地方公務員法違反の罪で、大船署刑事課の元巡査部長の男性(45)=懲戒免職=を略式起訴した。横浜簡裁は罰金50万円の略式命令を出し、元巡査部長は即日納付したという。

 起訴状によると、元巡査部長は同署刑事課で薬物犯罪の捜査に従事していた昨年10月、川崎市の無職男(25)=大麻取締法違反罪で公判中=が自宅で使用するバッグ内に大麻があるのを聴取相手が目撃したとする虚偽の内容の調書を作成し、捜索令状を取得する際の資料として使用したほか、今年5月にこの聴取相手に家宅捜索の場所などを漏らした、としている。

 地検によると、この聴取相手は「男のミニバイク内に大麻があるのを見た」と証言したが、自宅内にもあるとする虚偽の内容を元巡査部長が加えたという。ミニバイク内から大麻が発見されたことから、地検は男を大麻取締法違反罪で起訴したが、地検は調書偽造の発覚を受け「証拠能力に問題があるか、捜査のありように問題があるかなどを検討している」としている。

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