石田、辛抱の虎退治 9月2日・阪神戦

横浜DeNA300 001 001|5000 020 001|3阪神【フルマーク】V消えるも悲願へ前進【フルマーク】V消えるも悲願へ前進 もはやエースと呼んでもおかしくない。堂々たる投球でチームの窮地を救った。広島で3連敗した後の一戦で、石田が7回を6安打2失点。阪神戦の連敗を4で止め、セ・リーグ5球団から勝利した左腕は「相性が悪かったし、丁寧に丁寧にと投げた。いけるところまで全力を出し、満足している」とチームトップタイの9勝目をかみ締めた。

 虎党の歓声をため息に変えた。4−2の六回。先頭上本の二塁打、福留への死球で1死一、二塁のピンチを背負った。

 打席には五回にソロを食らった5番ゴメス。打ち気にはやる強打者に対し、あえて外角に外したボールを2球続けると、今度は同じ外角にチェンジアップを投じる。

 狙い通りに一ゴロ併殺に料理し「打たれていたので厳しくいった。うまくタイミングを外せて、ラッキー」と笑う。七回無死一塁では投前のバントを素早く処理して二塁でアウトに。僅差の場面でも冷静に対応できる頼もしさがある。

 プロ34試合目で初めて甲子園のマウンドを踏んだ。広島工高時代には届かなかった聖地での好投で4位ヤクルトとの差を2ゲームに広げた。

 この日、広島が勝利したため優勝の可能性は消滅したが、初のクライマックスシリーズ(CS)進出へ、2年目の23歳は言う。「CSに出ることが自分の目標」。ローテーションをこのまま守り切り、白星を積み重ねていく。ラミちゃん☆ゲッツラミちゃん☆ゲッツ 「序盤の得点が勝ちにつながる。先制点を受けて、石田も好投してくれた。甲子園では2勝5敗だったし、前回の対戦では3連敗。初戦を取れた意味は大きい」鬱憤晴らす2打点 ロペスが先制、中押しと存在感を示した。

 一回無死一、二塁で左翼線へ適時二塁打を放つと、1点差に迫られた直後の六回には代わったばかりの松田から豪快にバックスクリーンへ。4試合ぶりの23号ソロに「完璧。健大(石田)がいい投球をしていたので、追加点を取れて良かった」と声を弾ませた。

 前カードの広島3連戦では13打数1安打。鬱憤(うっぷん)を晴らす貴重な2打点だった。山崎康、直球に手応え 山崎康が八回に2番手として登板。3連投のマウンドで最速150キロの直球で押し、2三振を奪うなど三者凡退に抑えた。ここまでの阪神戦6試合で10失点している相性の悪さから、三上と配置転換された背番号19は「あらためて武器の直球を再確認できた。良いきっかけになると思います」とうなずいた。

 ラミレス監督はあくまで入れ替えは阪神戦限定と説明。不調が続いている右腕は「九回を投げられない悔しさはある。(抑えは)こいつだと思われる投手になる」と前を向いた。選手ひと言 宮崎(一回に2点適時打) つないでいこうと思って振っていきました。ちょっと詰まったと思ったけど、うまく抜けてくれてラッキー。

 梶谷(九回に8試合ぶりの14号ソロでダメ押し) どうせならと、三振か本塁打かぐらいのつもりで思い切っていった。追加点を取れて良かったが、チームが勝てればそれでいい。

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