入学前へ高校奨学金支給時期を前倒し 川崎市教委が方針

 川崎市教育委員会は高校奨学金支給制度の入学支度金の支給時期を現行の5月から3月に前倒しする方針を決めた。経済的に苦しい生徒の4月の入学前の負担軽減を図るのが目的。来春の入学生からの実施を目指し、12月に市高校奨学金支給条例の改正案を提案する予定。

 市の高校奨学金は入学時にかかる費用を支援する入学支度金(募集人員150人程度)と学年資金(同600人程度)がある。経済的理由で修学が困難な生徒に成績や世帯所得などの条件に基づき給付している。

 入学支度金は国公立で4万5千円、私立で7万円を支給する。中学3年の時の11月に中学校を通じ教育委員会に申請し、翌年1月に審査結果が通知されるが、支給は高校入学後に提出する進学届などに基づき5月に口座に振り込まれる。

 在学前の3月中に支給できるよう条文を変更する。市教委学事課は「高校入学前に準備する制服や教科書などの必要経費がかさむため、3月中の振り込みを望む声もあった。支度金の使い勝手を良くして負担軽減を図りたい」としている。

 今回の改正では対象校も拡充する。高校と中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部に新たに高等専門学校と専修学校高等課程も加える。

 学年資金は国公立で1年生に年額3万6千円、2年生に6万1千円、3年生に4万6千円、私立で1年生が6万円、2年生が8万5千円、3年生が7万円を支給している。

 市教委は今月8日から1カ月間、パブリックコメントを実施し、意見を受け付ける。

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