極彩色の仏涅槃図を特別公開へ 川崎市教委

 川崎市教育委員会は10月7〜9日、多摩区菅馬場の玉林寺で市重要歴史記念物「紙本着色(しほんちゃくしょく) 仏涅槃図(ぶつねはんず)」を特別公開する。鮮やかな色彩で描かれた約3メートルの掛け軸で、「普段公開されていない文化財を見るチャンス」と呼び掛けている。

 江戸時代後期の1817年に菅村の念仏講中の人々が奉納したという。仏涅槃図は釈迦(しゃか)の入滅(臨終)を描いたもので、沙羅双樹(さらそうじゅ)の中央に臥す釈迦を囲む菩薩(ぼさつ)や仏弟子、動物などが描かれた曼荼羅(まんだら)形式。金箔(きんぱく)を使用した極彩色で描かれ、参集している者がグループ別に描かれているのが特色。絵は縦約230センチ、横約270センチ。公開は午前10時〜午後3時で見学無料。

 関連講座として「玉林寺の仏涅槃図を読み解く−伝統と江戸の創造力」も同月8日午前10時から、同寺で開催。講師は、早稲田大文学学術院の内田啓一氏教授。仏画鑑賞の基本から、同図の見どころなどを解説する。受講料千円。定員50人(事前申込み制)。申し込みは15日まで(消印有効)、往復はがきか、ホームページ「かわさきの文化財」のフォームメール。問い合わせは、市教委文化財課電話044(200)3305。

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