相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で46人が殺傷された事件で、園を運営するかながわ共同会がまとめた事件の経過報告書の中間報告が、29日の県議会厚生常任委員会で公表された。元職員である容疑者の勤務状況や言動、警察や県との連携、事件時の夜勤職員から聴き取った当日の対応などが記載されており、県は「事実を明らかにするための重要な資料。内容を検証し、再発防止策を検討したい」とした。
被害者の葬儀の関連情報や夜勤職員が容疑者に遭遇した場所を示す見取り図など、個人情報や捜査情報に関わる記載は黒塗りとされた。共同会としての事件の検証については「理事会の中に別途、調査組織を設置する方向で調整していきたい」と記されている。
厚生委では中間報告の内容を踏まえ、委員から「事件前、当日を含め(県と共同会の)情報共有が十分でなかったと思う」との指摘があらためて出された。
また、県は事件を受けて寄付の申し出があるとも説明した上で「ふるさと納税制度を活用し、寄付金は園の職員の心のケアを含む機能回復や障害者の理解促進などに活用したい」と述べた。