障害者共存の実践を 相模原殺傷受け講演会

 2016年県生協大会が13日、横浜市中区で開かれた。識者による講演のほか、7月に相模原市緑区の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で発生した殺傷事件を受けたアピールなども行われた。同大会実行委員会の主催。

 今回は「共に生きる」がテーマ。武蔵野大学客員准教授で、重い障害がある子どもがいる藤本俊明さんが講演した。

 藤本さんの次男は、2006年に新生児重症仮死で生まれた。重度の脳性まひで人工呼吸器と胃ろうを使い、現在も入院生活を続けている。藤本さんは次男の誕生からこれまでの経験に触れ、「『人とのつながりが生きること』だと子どもに教えてもらった」と話した。さらにやまゆり園の事件について、「犠牲者の痛みを社会がどれだけ共有しようとしているか疑問」とし、「一人一人が支え合って共に生きるということを、言葉だけでなく実践で求められている。それを社会が共有していけるかが大事になる」と締めくくった。

 また、大会実行委員会が、事件を踏まえて「人は誰もがかけがえのない存在。誰もが安心して暮らせる社会を目指す」と宣言した。

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