入院患者から活性剤の成分は検出されず 横浜の点滴連続殺人

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者2人が中毒死した点滴連続殺人事件で、神奈川署特別捜査本部は14日、入院患者50人全員の血液を鑑定した結果、界面活性剤の成分は検出されなかったと明らかにした。特捜本部は不特定の入院患者を狙った疑いがあるとみて、引き続き他の異物混入の有無を調べる方針。

 特捜本部などによると、9月18日に死亡した男性(88)の体内と、20日に亡くなった男性(88)の体内と点滴から、殺菌作用の強い界面活性剤を検出。2人が入院していた4階のナースステーションには界面活性剤を含む消毒液「ヂアミトール」があり、空き瓶3本を押収していた。

 4階の入院患者に使用する点滴は、17日午前に1階の薬剤部から3日分が一括搬入されており、未使用の点滴約50袋のうち約10袋で、ゴム栓の保護膜に注射針で開けたような穴が見つかっていた。

 特捜本部は、医療や院内事情に詳しい人物が不特定の入院患者を狙って投与前の点滴に注射器で消毒液を混入させた可能性があるとみて、病院関係者らから事情を聴くとともに、当時2〜4階に入院していた患者の血液鑑定を進めていた。

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