駆け付け警護「ノー」 自衛隊派遣に市民ら抗議

 自衛隊の南スーダン派遣は海外での武力行使を禁じた憲法9条に違反するなどとして、派遣に反対するデモが3日、藤沢駅北口サンパール広場で行われ、市民ら約100人が抗議の声を上げた。

 政府は、今月に派遣予定の陸上自衛隊部隊に新任務「駆け付け警護」を付与できるかを検討している。駆け付け警護は、昨年9月の安全保障関連法に基づく任務で、離れた場所で国連や非政府組織(NGO)の職員らが武装勢力に襲われた際、武器を持って助けに行く任務だ。

 デモを主催した市民団体「ふじさわ・不戦のちかい平和行動」は、政府方針について「新任務では、従来と違って武器の使用基準が大幅に緩和されてしまう。自衛隊員が派遣されれば、戦闘行為に介入し、武装勢力を射殺するのではないか、または武装勢力によって自衛隊員が射殺されるのではないか、と大変危惧している」とあらためて反対声明を発表した。

 リレートークでマイクを握った主婦車田明里さん(28)=藤沢市=は「始めは警護が目的だとしても、銃撃戦になったら自衛隊も弾を撃つでしょう。好きになった人が実は自衛隊員だったら? 自分の子どもが『災害などで困った人を助けたいから自衛隊員になりたい』と言ったら? 被害者は現地にいる人だけではありません」と訴えた。

 デモでは、マネキンに扮(ふん)して無言で抗議する「マネキンフラッシュモブ」と名付けたパフォーマンスも行われ、市民らが「自衛隊員を死なせるな!だれも殺すな」と書かれたプラカードを掲げた。

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