文化創造 輝く星に 「シリウス」大和市に開館

 大和市の「文化創造拠点シリウス」(同市大和南1丁目)が3日、開館した。市内最大となる文化と芸術の複合施設の誕生を、招待された政財界人や市民ら約千人が祝い、「市のシンボルに」と期待した。

 大木哲市長は「市に最も欠けていたのが文化拠点だった。文化の薫るまちへ一歩ずつ進んでいきたい」とあいさつ。名誉館長に就いた市内出身でノーベル化学賞受賞者の根岸英一さん(81)も「次世代の子どもたちに大いに活用してほしい」と呼び掛けた。

 市内に住む直木賞作家の青山文平さん(67)と、ギネス世界記録を持つイラストレーターの及川正道さん(77)も招かれ、テープカットに加わった。優れた音響性能を誇る芸術文化ホールで、神奈川フィルハーモニー管弦楽団が祝賀演奏を披露。本年度の市文化芸術顕彰も、さっそく施設内で開催された。

 20年余りを要した大和駅東側の再開発事業で、官民複合ビル「YAMATO文化森」(地上6階、地下1階建て)内に整備された。延べ床面積は約2万3千平方メートル。既存の図書館と生涯学習センターを移転し、新設のホールとこども広場の4施設で構成される。

 6社による指定管理者が運営し、年間150万人の利用を見込む。施設前の空間とプロムナードはこの日、それぞれ「シリウス広場」「図書館の道」と愛称が付いた。

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