青年漫画を複製原画で 川崎市市民ミュージアム企画展

 青年漫画の代表作家の作品を精巧な複製原画などで紹介する「青年マンガの世界」展が、川崎市市民ミュージアムで開かれている。12月11日までで、入場無料。

 紹介されているのは、「龍−RON−」や「JIN−仁−」「六三四の剣」で知られる村上もとかさん、「壬生義士伝」「愛と誠」などのながやす巧さん、貸本でも活躍し「怪力の母」などで知られる平田弘史さんの作品。漫画家で、京都精華大学の学長である竹宮惠子さんが中心になって開発した原画複製ソフト「原画ダッシュ」で生み出した作品が並ぶ。

 色あせなど劣化しやすい漫画の原画の保存と公開を両立するため、コンピューターで画像を取り込み、綿密に色調整を重ねたもので、「雑誌や単行本では分からない、しみ、修正液、折った痕、トーンの使い方なども分かり、作家らがどうやって作品を作ったかも分かる」と吉村麗学芸員。

 特に青年漫画は、細かく精緻な描写が多く「原画ダッシュ」が力を発揮するという。竹宮さんの作品「アンドロメダ・ストーリーズ」などを含め、120点が、雑誌や単行本70点とともに展示されている。

 11月20日に平田さんの新刊購入者を対象にしたサイン会、12月4日には村上さんと竹宮さんのトークショーを行う。ともに午後2時から。月曜と11月4日、24日は休館。問い合わせは、同館電話044(754)4500。

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