医師が医療用麻薬を持ち出し 廃棄の液「使用するため」に所持

 勤務先の病院内で医療用麻薬を持ち出して所持したとして、県警薬物銃器対策課と旭署は16日、麻薬取締法違反(所持)の疑いで、横浜市都筑区荏田南1丁目の男性医師(31)を逮捕した。

 逮捕容疑は、10月13日、当時勤務していた同市旭区の横浜旭中央総合病院で、麻薬である「レミフェンタニル」を含む水溶液を所持した、としている。同課によると、同容疑者は「使用するために持っていた」と容疑を認め、「家庭内の問題があり、ストレス解消のためだった」と供述している。

 同課によると、レミフェンタニルは主に痛み止めに使う医療用麻薬。同容疑者は手術で残った廃棄用の水溶液を、さらに薄めた上で抜き出していた。同病院では廃棄の際は残った量をチェックするといい、同課は発覚を遅らせるためだったとみている。手術室は医師であれば自由に出入りできるという。

 同日朝、不審な動きをしている同容疑者を病院関係者が見つけて声を掛けたところ、腕に注射痕があり、白衣のポケットに水溶液の入った注射器とプラスチック容器を持っていたことから発覚した。

 同課によると、同容疑者は2011年4月に医師免許を取得し、その後同病院に外科医として勤務していたが、発覚後に解雇された。

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