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学校の給食室を使った炊き出し訓練が20日、相模原市立清新小学校(同市中央区)で行われた。より実践的な訓練にしようと地域住民と教育委員会、給食調理員の連携による市内初の試みで、大きな三つの釜で調理した温かいご飯が参加者に提供された。清新地区自主防災協議会の主催。
訓練は相模原市東部直下を震源域とするマグニチュード(M)6・9の地震が発生し、中央区は震度6弱〜6強を観測したと想定。普段はおかずを調理するために使う「回転釜」三つを使い、計300食分を用意した。
大きな釜に水17リットルを入れ10分間で沸騰させ、アルファ化米10キロを入れて蒸らすこと約15分。三つの釜それぞれに100食分(1人分約250グラム)が炊き上がった。200食分を校庭で参加者に配布するとともに、残り100食分は近くの清新中学校避難所にリヤカーで運ばれた。
管理栄養士の大竹昌子さんは「普通の米なら調理に1時間ほどかかるが、今回は30分以内で済んだ。おいしくできたと思う」と訓練が想定通りに進んだことに安心した表情をみせた。
市教委によると、市内72小学校のうち54校に給食室があり、それぞれ回転釜が設置されている。清新小の給食室は断水時でも受水槽から優先的に配水される仕組みで、電気やガスが止まってもプロパンガスを利用でき、発電機も配備されているという。
調理員の高崎直也さんは「アルファ化米は水だけでも食べられるが、災害時には少しでも温かいものを食べてほしい。水とガスさえあればなんとかなりますね」と手応えを感じた様子だった。
同校では情報伝達や避難所設営、ボランティア受け付けなどの各訓練も併せて行われた。