汚染土、基準下回る 横須賀市教委発表

 放射性物質を含んだ汚染土を横須賀市立学校43校で暫定保管している問題で、市教育委員会は25日、サンプル採取した市内5校分の汚染土の放射能濃度を発表した。1キロ当たり1925〜6420ベクレルで、いずれも国の定める指定廃棄物の基準(8千ベクレル超)を下回った。

 市教委は、汚染土の下水処理場「下町浄化センター」(同市三春町)移設に向け、12月中に処理場周辺の住民らに測定結果などを説明し理解を求めていく。

 測定したのは浦賀小、鴨居小、衣笠中、浦賀中、田浦中に暫定保管していた汚染土。各校とも2検体ずつを測定し、平均値として公表した。1検体当たりでも、放射性セシウム濃度が基準の8千ベクレルを超えた汚染土はなかったという。

 市教委は、11年秋の除染当時の空間線量が高かった5校を選び、10月中旬にサンプル土壌を採取。検査機関に測定を依頼していた。今後、移設への理解が得られれば、残る38校の放射能濃度も測定する。

 市立学校では、東京電力福島第1原発事故の影響で、集水升などから市が定めた放射線量の基準値を上回る土砂や汚泥などが見つかり、計約7トン分を学校敷地内に暫定保管。その後、処分業者が見つからないとして、約5年半にわたり手つかずとなっていた。

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