保育士試験年3回を提案 知事「既得権益にメスを」

 黒岩祐治知事は12日の国家戦略特区諮問会議で、保育士不足解消策として年3回目の保育士試験を実施するため、規制緩和するよう提案した。

 黒岩知事は、3回目として「地域限定保育士試験」を行うため▽児童福祉法で一般社団法人・一般財団法人に限定されている指定試験実施機関を株式会社などにも拡大▽全国保育士養成協議会が作成している試験問題を県独自で作成−の2点の規制緩和を求めた。

 保育士試験を巡っては、県の提案で2015年、年1回の全国共通試験と別に、合格後の3年間は地域内で働く「地域限定保育士試験」を県や大阪府などの特区で実施。16年は全国共通試験を2回実施した。

 会議後、黒岩知事は「地域限定保育士制度で劇的に保育士数が増え、全国の試験も2回になった。まさに岩盤規制の突破だ。今回も既得権益にメスを入れることで大きな規制改革になる」と話した。山本幸三地方創生担当相は「前向きに捉え、これからワーキンググループなどで詰めていく」と述べた。

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